日本は新規国債を毎年30兆円以上発行しています。

これは紛れもなく、赤字経営の何ものでもありません。

しかしながら日本国民は、それを
「へー」くらいにしか思っていません。

国民がそんな風になるには、それなりの理由があるのですが、それはそれで問題です。

今回は、その辺を切り込んで記事にしたいと思います。

日本の現状と日本人の認識

日本の赤字経営は、先ほど述べた通りで、
毎年、大量の新規国債を発行しているのが現状です。

それに加え、人口の減少も気になるところです。

人口については、
ただ増えればいいというわけではありませんが、
若者が減り、高齢者が増えるのは問題です。

税収は増えない上に、社会保障費は増え続けるわけですから。

 

ところが、そんな赤字経営の国にいる当の日本人は、そんなに深刻でなさそうです。

それにはいくつかの理由があります。

こんな言葉聞いたことありませんか?

・日本の借金は日本の中で回している
・日本は外国に借金しているわけではない

だからギリシャとかと違って大丈夫・・・

果たして本当にそうでしょうか?

日本の金融事情の現実

日本の国債の保有者の内訳は、

・約45%が日銀
・約40%が銀行と生損保会社
・約7%が海外
・約8%がその他

大まかには、こんな感じです。

これを見て、海外に借金してるわけではないという理論は間違っていません。

ただ、問題なのは、
約40%を銀行と生損保会社が保有していることです。

そして、毎年の新規国債の受け入れ先なので、その量は増えるばかりです。

 

このことによる諸問題は今は置いておいて、
デフォルトリスクだけを考えた場合、
確かに今は、それでいいかもしれません。

しかし、今後増える高齢者全員が、満足いく社会保障を得られるとは思えません。

となれば、預金や保険を解約して、生活費に回す人も増えると思います。

そのような流れになってきた時は、普通に考えれば、デフォルトリスクが上がります。

 

そして、歴史を紐解けば、
いつの時代も、どの国も、
国民を犠牲にしてでも国を守ります。

国を守るために国民を切り捨てます。

かつての日本も、預金封鎖などが行われた時代もありました。

なので、カントリーリスクに備えるのは、当たり前のことです。

備えるかどうかは人それぞれとして、考える必要はあると思います。

日本国が日本人に求めるもの

日本の国債の受け入れ先である、銀行と先損保会社。

この構図があまりにも強いことが、日本の金融の世界を歪めています。

日本国にとっては、銀行と生損保会社は、客先であり守るべき対象です。

その代わり、国債を中心とした運用をするように、条件付けています。

そのために、我々に降りてくる金融商品は、
どうしても魅力的なものがなく、
直接的に言えば、利益を出せる預け先がありません。

 

しかし、それは日本国内だけに目を向けているからであり、
世界に目を向ければ、魅力的な金融商品はいっぱいあります。

ところが、当然のことですが、
国としては、日本人の資金が海外へ流出するのを嫌います。

ただただ黙って、銀行と生損保会社にお金を預けてほしいのです。

新規国債を発行したいのですから、当たり前の話です。

 

日本国が国民に求めるものは、金融リテラシーを上げないことです。

そうでないと、今の構図が維持できないわけです。

その証拠に、MasterCard社が金融リテラシーを国別で調査した結果、
なんと日本はアジアで最下位と順位付けられました。

悲しいですが、これが真実です。

我々の活動

そんな中、我々は日本人の金融リテラシー向上を目指して活動を続けています。

今は、大それたことは出来てないですが、
地道な活動は、今後も続けるつもりです。

知ってしまった以上、やるしかありません。

知ってしまった者の責任とも取れます。

 

ただ、凝り固まった日本人の頭を、インストールし直すのも簡単ではありません。

島国だからこそ良い点もありますが、そこがネックになるときも当然あります。

金融の勉強をしていると本当に感じます。

『島国の日本と地続きのヨーロッパを始めとする大陸の違いに』