お風呂場の扉を開けると

『ある男が自分の肛門が見えるように、両手を使って広げ、さらに奇声を上げていた』

この光景を思い浮かべて、何を想像しますか?

私の人生の中で、本当に起こった、勘違いネタの最高峰です。

 

20代のとき、
友達同士7人で長野県のスキー場へ泊まりで遊びに行った。

宿泊先は、民宿だったと思う。

初日のスキーを無事に終えて、
心地よい体の疲れを感じながら、夜の祝杯を上げた。

そろそろ夜も更けてきたので、お風呂に入ることになった。

先発隊として、私ともう1人の友達とお風呂場へ行った。

事件はそこで起きたのだった。

 

脱衣所へ行くと既に違うグループの男2人組がいた。

1人は既に浴場に入っていて、もう1人は脱衣場にいて、
その男もこれから浴場へ入ろうと服を脱いでいた。

そこへ、我々2人組が脱衣場へ入って行ったのだ。

 

脱衣場に入ると、浴場がそんなに大きくないことがうかがえる。

既に2人組がいて、我々が入れば、合計4人になる。

4人で入れる浴場かどうかが、ちょっと不安になり、
先に入った、私の友達が脱衣場にいた男に聞いた。

「我々2人も一緒に入れますかね?」

 

そう聞かれて、脱衣場の男が答えた。

「どうだろ〜、浴場を覗いてみてください、中には俺の友達しかいないので」

ということで、
私の友達が浴場を覗いて広さを確認した、そのとき。

 

私の友達が放った言葉が

「ウォ〜きっつ〜・・・」

それを聞いて、私は相当狭い浴場なのか・・・
と思っていたら。

どうやら様子がおかしい!

(ちょっとした沈黙と変な空気感)

 

異変を察知した私が、すぐさま、浴場を覗くと・・・

なんと文頭の光景が現れたのだった。

再度、その光景を繰り返す。

 

『先に浴場に入っていた男が、
自分の肛門が見えるように、
両手を使って広げ、さらに奇声を上げていた』

先に浴場に入っていたその男は、
次に入ってくるのは自分の友達しかいない。

そう思った浴場の男が、
自分の友達に対してとった、お笑いの行動だった。

 

しかし、悲しいかな、
その光景を覗いたのは、私の友達と私。

しかも、我々が、
その光景を目の当たりにしていることを、
肛門を見せている本人は知らない。

・・・・・

 

その異変に気付いた脱衣場にいた片割れが、
慌てて浴場を除き、その光景を目の当たりにした。

そして、浴場の男に言い放った

「何やってんだ、お前!」

しかし、奇声を上げている肛門男は、
そんな友達の言葉にも気づかず、
ひたすら奇声を上げ続け、肛門を見せ続けた。

なんと、我々が立ち去るときまで、
ずっと肛門を見せて、奇声を上げ続けたのだった。

 

我々はその場を後にし、自分たちの部屋に戻った。

先ほど起きた一部始終を仲間に話し、
大笑いしながら、お酒を飲み直し、
お風呂場があくのを待った。

こんな勘違いネタ、本当にあるんだと感心した。

アンジャッシュ顔負けの、本当の勘違い事件。

 

私の人生で、
これを超える勘違い事件は、未だ起こってない。

といか、こんな事件、
そうそう起こってもらっても困る!

ということで、そろそろ肛門男の話は終わりにする。

 

この事件を我々の間では、こう呼んでいる。

『菊の紋章事件』

肛門の形を菊の紋章と、なぞらえてのネーミング。

ネーミングを付けたのは、この私であった。

菊の紋章事件の肛門男は、元気にしてるだろうか。

・・・・・

 

◆編集後記

この事件は誰に話しても大笑いしてくれる。

こんな事件に巡り会えるなんて、そうそうない。

肛門男には本当に感謝している。

こうやって、ブログネタにもさせてもらった。

このブログで公表することになるとは思わなかった。

しかし、こんな話も、ときどきはいいかも知れない。

『菊の紋章事件』を久々に話した。。